魔神ヴィシュヌ

ヴィシュヌ【出身地:インド】

 インドのディーヴァ神族三主神の一柱。世界を維持し、善が常に悪に勝つよう見張る。その名の語源は「行き渡る」という意味で、破壊神シヴァと双璧をなす、ヒンドゥー教ではもっとも重要とされる光明神。

 通常ヴィシュヌは青黒い肌をし、古代の王族のような衣装を身にまとい、四本の腕を持つ美青年の姿で描かれることが多い。またヴィシュヌは世界が邪悪に包まれそうになったとき、その身をさまざまな姿に化身させて地上に降り立ち、世界を救うとされている。このヴィシュヌの化身は「アヴァターラ」と呼ばれ知られている。

 アヴァターラは10あるとされる。最初の人間マヌを大洪水から救った巨大魚マツヤ。不死の霊薬アムリタをもたらした亀クールマ。悪魔によって水中に沈んだ大地を持ち上げた猪ヴァラーハ。魔王ヒラニャカシプを追放した人獅子ナラシンハ。魔王バリとの駆け引きで一歩目は地上、二歩目は天と地の間の世界、三歩目でバリの頭に足を置いた小人ヴァーマナ。千の腕を持つカールタヴイルヤ王を打ち破ったパラシュラーマ。魔を破滅に導くブッダ。末世に出現し悪を滅ぼすという白馬に乗った騎士カルキ。叙事詩『ラーマーヤナ』の英雄ラーマ。怪力と武勇をこり、女性を虜にする美貌の持ち主クリシュナ。これらがヴィシュヌのアヴァターラである。

 インド神話では、破滅のあとに再び誕生があるというサイクルが永遠に繰り返されるとしている。一説によればヴィシュヌは宇宙の大海に浮かぶ多頭龍アナンタの上で眠り続け、世界が破滅するときに姿を現わすとも言われている。

魔神ヤマトタケル

ヤマトタケル【出身地:日本】

 日本武尊(あるいは倭建命)。日本神話に登場する英雄神。景行天皇の子とされる。幼名を小碓命(おうすのみこと)という。

 小碓命は16歳のとき、父から九州の熊襲建(くまそたける)兄弟の討伐を命じられ、征西することとなる。小碓命はそのさい、叔母から授けられた女性の衣装を身にまとい、少女に扮し熊襲建兄弟に近づき、油断させたところで彼らを倒した。このとき熊襲建の弟が、自分たちより強い小碓命に驚き、感嘆し、「健」の名を小碓命に譲ったという。これをきっかけに、小碓命は名を「日本武尊」と名乗ることにした。
 日本武尊の伝説でもっとも有名なのは、駿河で野火攻めにあったとき、天叢雲剣で草をなぎ払って窮地を脱したというエピソードだろう。このことから、天叢雲剣は草薙剣と呼ばれるようになったとされている。

 なお日本武尊は能褒野(のぼの)で亡くなり、陵に葬られるが、日本武尊の死をみなが悲しんでいると、陵から日本武尊が白鳥となって空へ舞い上がり、大和を目指して飛んで行ったという。

魔神ヴィローシャナ

ヴィローシャナ【出身地:インド】

 ヴィローシャナとは、サンスクリット語で「輝きわたるもの」を意味する。これを音写し、毘盧舎那仏という。インドでは「輝く太陽に由来するもの」を意味し、日本密教では光明で遍く照らすことから「遍照如来」ともいう。「華厳教」及び「大日教」「金剛頂経」などその他密教の教主。

 彼が瞑想しているまわりには、宇宙の秩序に沿って、彼からの発現がさまざまな形象をなしている。真言密教においては金剛胎蔵界マンダラに、大日如来の真理は表現されている。金剛界においてヴィローシャナの瞑想より生まれる発現は、理念の世界である。胎蔵界において実際にその理念が現実となって現れるのである。
また金剛界は父権社会のごとく秩序だっており、厳しい修行の世界である。ここでの大日如来は厳しくおごそかである。一方胎蔵界は母権社会的な愛の世界である。大日如来は慈しみすべてを許し、悩める者を包み込む。

魔神バアル

バアル【出身地:シリア】

 古代セム語で「主」という意味である。豊穣神として長い間崇拝されてきた。狭義ではカナアンの主神で、ダゴンの息子であり、アスタルテの夫である。隣国エジプトのオシリスや、ヘブライのアドナイと同じ機能を持つ豊穣神である。

 冬に作物が枯れてしまうのは、冬の間はバアルがモトのいる冥界に連れ去られてしまうからと考えられた。こうした植物神としての機能に、雷と嵐を司る雨神としての機能が加わり、海の主である七頭龍を倒した英雄としても民衆に崇拝された。
 しかし聖書においてバアルは魔に堕とされる。バエルはバアルの変形であり、ベルゼブブやベルフェゴールなどもバアル系の悪魔である。

魔神オーディン

オーディン【出身地:北欧】

 北欧神話、アース神族の主神。戦いと魔術の神。オーディンは世解樹イグドラシルで首を吊り、自分の身を九日間と九夜の間生贄として捧げ、生と死の狭間の中でルーン文字を冥界から持ち帰った。

 彼は天界ヴァルハラの宮殿に住んでおり、優秀な戦士をヴァルキリーたちを使って戦場で死なせ、宮殿に集めていた。来るべきラグナロクの戦いに備え、これら戦士を養成しているのだという。

魔神フドウミョウオウ

フドウミョウオウ【出身地:インド】

 不動明王。密教の主要経典の一つである「大日経」には「聖者不動尊」「無動尊」の名で記されている。それらはサンスクリット語のアチャラナータの訳で、アチャラが「動かないもの」、ナータは「守護者」を意味することから、アチャラナータは「動かない守護者」と訳される。その起源はインドであり、アチャラすなわち動かないものは「山」を指すことから、不動明王は山の守護神に求められる。不動明王が磐石の上に座す姿で表されるのも、本来は山と関係があることを指すのだろう。

 不動明王は右手に降魔の剣を持ち、左手に羂索を持つ。また倶利伽羅黒竜という火焔に覆われた竜にも変化する。この姿は祈雨、除災など単独で信仰される。

魔神ブラフマー

ブラフマー【出身地:インド】

 インドのヒンドゥー教三主神のひとり。知識と創造の神で、シヴァが破壊したあと、世界を建て直すとされる。

 万物の創造神であるが、現在では忘れ去られてるに等しい。仏教では早くに取り入れられ、梵天となる。