女神アナト

アナト【出身地:シリア】

 生誕と死を司る女神。豊穣の神バアルの妹にして、妻でもある。

 アナトはきわめて強力な呪力を持った女神で、父である天界の神エルでさえも彼女の力を恐れたとされる。冥界へ降りた夫のバアルを地上に連れ戻したことでも知られており、アナトは自ら冥界へ赴き、その支配者である死神モトと戦ってこれを討ち倒し、バアルを連れ帰った。

女神ラクシュミ

ラクシュミ【出身地:インド】

 インドの三女神の一人。北インドでもっとも人気があり、日本では吉祥天の名で知られる幸運の女神である。蓮の花に座り、ときに四本の腕を持つ女性の姿で描かれる。

 最初は賢者ブリグの娘として存在し、ある賢者の呪いによって神々が追放されたときに、彼女は混沌の乳海の中に消えていった。しかし神々とアスラが不死の甘露アムリタを作るために乳海を撹拌したとき、その泡から再び生まれ変わったという。ギリシアのアフロディーテも泡から生まれたということで、彼女らは原形を同じくすることが知られる。

 蓮の花を手にして現れたラクシュミはとても美しく、彼女を一目見た神々は誰もが妻にしたいと願ったほどであったが、彼女自身も望んだヴィシュヌと結婚した。夫婦の結びつきは深く、ヴィシュヌが何らかの化身として現世に生まれ変わるとき、彼女もまたその連れ合いとして共に存在する。

女神パールヴァティ

パールヴァティ【出身地:インド】

 女神の中でもっとも美しいと称えられるシヴァ神妃。「山の娘」の名を持つヒマラヤの女神である。

 地母神的な性格も強く、優美さが強調された胸の豊かな女性の姿で描かれる。アスラに対する神々の怒りから生じたドゥルガーや、その額から現れたカーリーは、すべてパールヴァティの化身であると言われる。これらすべてを包含した女神として、大女神のマハーディーヴィの名で呼ばれることもある。『タントラ(ヒンドゥー教のシヴァの性力を崇拝するシャークタ派の文献の通称)』では女性原理の性力そのもののシャクティの名で呼ばれる。

女神スカアハ

スカアハ【出身地:アイルランド】

 ケルトの戦いの女神で、若い英雄たちに修行を積ませている。

 『影の国』の女王でもあるスカアハはその武勇で名をとどろかせた女神で、自分の所へ来た若者に修行をさせ、戦いの秘術を授けていた。かの英雄クー・フーリンもスカアハの修行を受けた一人であった。彼は免許皆伝の腕前となって魔法の槍ゲイボルグの使い方を教わり、スカアハよりその武器を授かった。

女神サラスヴァティ

サラスヴァティ【出身地:インド】

 日本では弁財天として有名である。インドの学問と叡智の女神で、三女神の一人。白鳥もしくは孔雀に乗った、額に三日月を抱く白い肌の優美な女性として表現される。音楽などの技芸も司っており、しばしばヴィーナー(琵琶)を持った姿で現れる。神々に捧げる詩、ヴェーダも彼女の発明と言われ、ヴェーダの女神として称えられる。

 ブラフマーは彼女の美しさにみとれ、彼女はその視線を避けるために横に逃れたが、逃れるたびにブラフマーには新たな顔が生じ、ブラフマーは四面を持つようになった。逃れられぬと諦めたサラスヴァティは、ブラフマーの妻になったという。

女神ヴァルキリー

ヴァルキリー【出身地:北欧】

 スクウェア・エニックス社より1999年に発売されたPS用ゲームソフト『ヴァルキリープロファイル』の主人公。劇中では「戦乙女(いくさおとめ)」と呼ばれる。独語ではワルキューレ(Walkure)といい、名は「殺された者の運び手」を意味する。

 ヴァルキリーは主神オーディンの従者であり、オーディンの意思に従って戦場を駆けまわり、勝利や死を与える女性の精霊たちである。彼女らは戦いで死んだ戦士たちの魂を、天界にあるというヴァルハラ宮殿にて待ち受けた。

女神アメノウズメ

アメノウズメ【出身地:日本】

 天宇受売命。神楽舞を司る女神。この女神を有名にしたのは天の岩戸の前で踊った舞いだ。

 アマテラスがスサノオの乱暴に耐えかねて、天の岩戸に隠れてしまったのを、神々は呼び戻そうとした。そこでアメノウズメは幾多の神々が見守る中、岩戸の前にカラの桶を並べ、足を踏み鳴らして踊った。激しく踊る内に衣服はどんどん脱げていき、それはストリップそのものになった。これを見た八百万(やおよろず)の神はどっと湧いたので、何事かと顔を出したアマテラスを無事に呼び戻したのである。

 彼女とその子孫らの技能は鎮魂帰神にある。神楽が巫女術の舞踏の要素から生まれたように、歌や舞いによって神降ろしをし、神託を得るものである。またアメノウズメはそうした神楽によって生命を活性化させる、「魂振り」の女神でもあるのだ。