死神モト

モト【出身地:シリア】

 ウガリット神話で冥界の王とされる神。死と不毛の神で、豊穣の神バアルの宿敵である。

 バアルが神々の王となったとき、彼はモトの力である「死」を認めないと宣言した。これを聞いたモトは、自分の国である冥界にバアルを招いた。バアルはこれを拒否する事ができず冥界に降り、死者となった。モトはバアルに勝利するが、バアルの妹である女神アナトが彼を倒したため、バアルは地上へ戻れた。倒されたモト自身も復活した。

死神チェルノボグ

チェルノボグ【出身地:ロシア】

 スラブ神話、つまりロシアの伝説における暗黒の破壊神である。スラブ神話は共産党の支配下でほとんどが失われてしまった。

 チェルノボグの名は「黒き神」を意味し、光りの「白き神」ベロボーグに敵対する者であるというのがかろうじて解るくらいである。チェルノボグは隣国ペルシャで生まれたゾロアスター教の光明神アフラ・マズダに対する暗黒神アンリ・マンユのごときであるが、アンリ・マンユがあまたの臣下を従えているのに対し、チェルノボグの臣下の伝承は残念ながら残っていない。

 原発事故のその後の後遺症も癒えぬチェルノブイリの名は、ロシア語で「ニガヨモギ」という意味であるが、聖書の中の『ヨハネの黙示録』の世界では、終末を迎えた人々がニガヨモギによって苦しむさまが描かれている。この符号の一致は単なる偶然ではない。同じ黒の属性を持つ二つの災いは「大量の死」という共通性を持つのだ。チェルノボグは人間の原子力の発明によって、核爆発と放射能という強力な大量虐殺パワーを得ることになったのである。皮肉にもチェルノブイリのあるウクライナでは、相手を罵るとき、「チェルノボグにやられちまえ」と叫ぶという。

 鈴木一也原作のコミック版『真・女神転生』では、放射能のブレスを吐く破壊神として登場、小次郎らを苦しめた。

死神ゲーデ

ゲーデ【出身地:ハイチ】

 ブードゥー教の死の神。黒い山高帽をかぶり、黒い燕尾服を着ている。

 ブードゥーの神話によると、死んだ人間の魂は神々の住む土地であるギネーに行くため、長い道を進む。この道の途中には「永遠の交差点」と呼ばれる場所がある。その場所こそ、死の神ゲーデが立ち、魂たちを見張る場所である。このゲーデは誰よりも賢いとされる。死の神である彼は、生きてきた全ての人間について知っているからである。

死神タナトス

タナトス【出身地:ギリシア】

 ギリシア神話の死神。夜の女神ニュクスの息子で、眠りの神ヒュプノスとは兄弟である。

 タナトスはいわゆる死の天使の役目を持つ。彼は定められた寿命の尽きた人間の所へ行き、まずはその髪を一房切り取って冥界の王ハデスに捧げる。これが終わると、今度はその人間を連れ去るのである。彼は黒いローブを着て人間の間を歩くと言われる。その手に握っているのは、死を招く剣である。