神獣キマイラ

キマイラ【出身地:エジプト】

 キメラとも言う。蝮女エキドナと竜巻巨人ティフォンの子。

 古い形態はシンプルに翼のあるライオン、すなわち風と火の化身だが、のちには山羊の頭と龍の頭を加えた、合成獣の代名詞となる。雷雲の化身とも言われる。

神獣アヌビス

アヌビス【出身地:エジプト】

 エジプトの死者と深い関係のある神。ジャッカルまたは犬の頭を持つ人の姿で表現される。オシリス神以前の死の主神であった。

 ミイラ作りに深く関わっており、セトに引き裂かれたオシリス神の身体をつなぎ合わせたとき、アヌビスの薬によってミイラとして完成させた。また死者の裁きをおこなう神であり、死者の生前のおこないを判定する。「二つの真理の間」において、ラー神の天秤に死者の心臓と正義の女神の像、あるいは羽根を乗せて、つりあえば死者は正しいと認められたという。心臓が重ければ地獄行きである。のちの時代には女神イシスの息子とされ、その護衛者とされる。

神獣ゲンブ

ゲンブ【出身地:中国】

 中国の四方聖獣のうち、北方の守護を担う神獣。属性は水。亀とそれにからみつく蛇の姿で描かれる。のちには簡略化されて亀のみを描くようにもなった。

 北方と水を表す色である「玄(黒)」と、甲羅をまとっていることから「武」の字がとられ、この名がついた。亀は大地を表し、龍は日月の通り道を表す。元来玄武はこうした宇宙観を表すものであったはずだ。それが中国北方の黒龍江と寒冷な大地のイメージが重なって、北の守護神となったとも考えられる。玄武は星の名前でもあり、二十八宿のうち北の北斗七星の総称も指す。

神獣スフィンクス

スフィンクス【出身地:エジプト】

 ギリシア神話においては蛇神エキドナの娘である。人間の女性の顔をしていて、鷹の翼と女性の乳房を持ち、下半身はライオンの姿をしているという。同体は犬で、蛇の尾を持つという説もある。

 女神ヘラの命令によって、堕落した生活を送っているテーバイ人を罰するために、テーバイのピキオン山に居を構えた。このときに彼女が発したのが有名な「朝は四本足、昼は二本足、夜は三本足で歩くもの」の謎かけである。スフィンクスはこれに答えられなかった者を食べてしまっていたが、オイディプスによって謎を解かれ、崖から身を投げて自害したという。

 エジプトに彫像が残っているより古い時代のスフィンクスは、人の頭と獅子の身体をしており、男性である。このスフィンクスが本来何と呼ばれていたのか、そして何を表していたのかは、実は未だ謎のままなのである。少なくともその顔はファラオを表していたようだ。