聖獣スレイプニル

スレイプニル【出身地:北欧】

 北欧神話の主神オーディンの所有物である、8本足の葦毛の駿馬。

 スレイプニルは空をも駆けることができる馬で、父はスヴァディルファリという牡馬、そして母は牝馬に変身したロキである。またこの馬は、死のシンボルである絞首台の木にもなぞらえられる。オーディンが冥界からルーン文字を手に入れるために首を吊った木も、名を「スレイプニル」といった。

聖獣センリ

センリ【出身地:中国】

 仙狸。ただしタヌキではなく、山猫の怪である。

 ネコマタの最上位クラス。キツネと同様美女に化け、男から生気を吸い取る。狐も狸もなぜ生気を吸い取るかといえば、この仙人クラスの仙狐、仙狸になるためなのである。

聖獣ヤツフサ

【出身地:日本】

 滝沢馬琴作『南総里見八犬伝』に登場する、人語を解する妖犬。「八房」と書く。滝田城城主里見義実に飼われた犬。

 義実が戯れに「敵将の首を取ってきたなら、三女・伏姫を嫁にやる」と言ったところ、その夜ヤツフサは本当に首を咥えてきた。義実はヤツフサに伏姫をやることをためらうが、伏姫は自らヤツフサの嫁となる。ヤツフサと伏姫は城を離れ、山で暮らし始めるが、そこで両者とも義実の家臣・金椀孝徳の鉄砲に倒れることになる。

聖獣アピス

アピス【出身地:エジプト】

 エジプトはメンフィスの、最高神にして運命を司る神プタハの聖獣である牡牛。

 29の条件を満たした牡牛がアピスと認められるが、主な特徴としては眉間に白い斑点があり、背中には鷲のような模様が浮き出て、尾の毛は二重に生えていて、舌の裏にスカラベ(タマオシコガネ)のような形のものが付いているといったものである。一度出産すると二度と子供を産めない特別な牝牛が、天から差し込んでくる光によって身ごもると言われている。

 アピスは常にこの世に一頭しかいないものとされ、どこかで新しいアピスとなる条件を満たす牡牛が発見されると、そのときに生きていたアピスは儀式によってナイル川に沈められた。また自然に死んだ場合は、ファラオのようにミイラにして丁重に弔われた。死のさいに、アピスはオシリスに化身すると言われている。

聖獣ユニコーン

ユニコーン【出身地:イギリス】

 イギリス文学においてしばしば登場する、神聖な一角獣。名前も一本角という意味である。純白の美しい身体と、約1メートル弱もの長さの堂々たるまっすぐな角を持つ馬とされている。

 ユニコーンの角は男根の象徴とされ、神聖な力のほとんどはその角によるものである。角に触れるやいなやどんな病気もたちどころに癒え、どんな邪悪な力もたちまち払われるという。しかし非常に気性が荒く、近づく者はその角で一撃で殺されるが、唯一汚れの無い処女だけには気を許し、膝で眠ってしまうという。このように純粋性や処女性の象徴であるユニコーンではあるが、中世の教会からは七つの大罪の一つを司る悪魔の象徴に用いられ、「怒り」を表す。